ドラクエウォーク3コラボ始まりましたが、個人的にストーリーがちょっとはしょりすぎだなあ、と思ったので勝手に補足したいと思います。
勇者たちがアリアハンから広い世界に出て最初に受けるミッションは、「ロマリア王の金の冠を大盗賊カンダタから取り返してくる」というもの。イベント自体はシンプルだが、ウォークでは肝心なとこが省略されてると思います。
本来は金の冠を返すと、主人公はロマリアの王様にされてしまうというイベント。
プレイヤーは王となり城下の人々から祝福されますが、城の外に出ることはできません。
ここで、ほぼ全てのプレイヤーは「王様じゃなく早く冒険の旅に出たい」と思うはずです。RPGやってんだからそりゃそうだろと思うかもしれませんが、プレイヤーに直接、能動的にそう感じさせることがゲームの仕掛けとして大切。
城下をさまよったプレイヤーは、格闘場で元の王様を見つけます。そのときのセリフ↓
「庶民はええのう」
権威の象徴とも言える「きんのかんむり」を頑張って取り返してきたのに、勝手に王位を譲って町外れの格闘場で賭け事でひとときの庶民の生活を楽しむ王様…。広い世界に出たばかりの16才の勇者はどう感じたでしょう?
世界にはいろんな人がいて、皆それぞれ生きている。王冠を奪いあの塔で壮絶なバトルを繰り広げたカンダタ一味も、迷惑な盗賊ではあるが、彼らなりにこの世界で必死に生きている人間だともいえるかもしれません。
「王様てのも大変なんだなあ」
「カンダタも悪いやつだけど憎めないなあ」
…と思ったかどうかの解釈はプレイヤー自身に任せられています。それがドラクエの文法。答えは決まっていません。あなたがどう感じ、考えるかは「自由」です。
ただ、私は小学5年生当時「何か」感じるとこがあったから、このロマリア王のくだりか大好きなんですよね…。だから今47才にもなって覚えているのだと思います。
ドラクエ3は4や5のような明確な一つのストーリーはないが、一つ一つの街のイベントにちょっとずつ大きなテーマが込められていると思います。「広い世界」の中で、大切な仲間とともにプレイヤーが様々な人間や怪物や文化に触れて成長していくという理想的なRPGの姿。
…書いてたら色々思い出してきたので、DQ3の話は改めてもう少し書こうと思います。次回はたぶんオルテガです 笑
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※余談 シャンパーニの塔最初のカンダタ戦は私がスクルトの強さを知った最初のバトル。「しっかり守って、落ち着いて1匹ずつ撃破」は今でも私が1番好きな戦い方です。