溝の口たまい高難度@DQW

ホッピーと焼き鳥でドラクエウォークの高難度を楽しむFC版DQ世代です。

孤独と自由(DQ1のこと)

ドラクエ38周年おめでとうございます!

私は小4の1986年7月に1を買い、翌1月のドラクエ2発売までずっと1をやっていました。せっかくの記念日なので今の思いを酔っ払いで書いておこうと思います。

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DQ1の魅力はとにかく「シンプルさ」。竜王の城に行って竜王を倒すだけの物語。

道中にボスは3体いるけど、「倒してくれ」と誰かに依頼されるわけでもなく、倒さなくてもクリアできる。倒すかどうかは自分で決めれば良く、学校から帰ったら自分で今日の目的地を決めて(今日はリムルダールまで行ってみようとか)フィールドを歩いて冒険することが1番楽しかった。

(…あれ?これってドラクエウォークの本来の楽しさじゃなかったっけ?笑)

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最初の敵はドラゴン。LV12くらいでもラリホーが決まれば勝てるくらいの絶妙な難易度で、倒すとローラ姫救出。当時はたいまつで自分の周囲しか見えないため、この洞窟にドラゴンがいることを発見しただけでも大興奮だった。


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2体目は悪魔の騎士。ロトの鎧を守っているが、ロトの鎧もクリアに必須アイテムではない。

ただ、ロトの鎧にはバリアを無効にする効果があるので、バリアだらけの竜王の城はロトなしだとHPがどんどん減る。こういう戦闘面以外で間接的に効果があるのもうまい作り方だと思う。

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(↑個人的にこの写真ドムドーラの廃墟ぽくて気に入ってます。JR代々木駅のそば 笑)

悪魔の騎士は補助呪文が一定確率で効くので、うまく行けばLV14くらいでも勝てるのが良いバランスになっている。

DQ1には「ラリホー」と「マホトーン」というたった2つの状態異常呪文しか存在しない。ラリホーは起きるリスクがあるが寝続ければ低レベルでも完封できる魅力、マホトーンは呪文に限るが無駄行動にでき、永遠に切れないといううまいバランス。

堀井さんはDQ3まで見据えて1はとにかくシンプルにしたのだと思うが、この2つの呪文にちゃんと存在意義を与えているところが素晴らしい。

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3体目はゴーレム。商店街かデパ地下みたいな楽しいメルキドの街の入り口を守っている。メルキドに行く理由はロトのしるしのヒントと「みかがみのたて」の購入のみで、これも必須ではないのがよい。

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ラスト、竜王と対峙したプレイヤーは「世界の半分をやろう」という誘いに自ら「いいえ」を選ぶことになる。また、クリア後は王様から王位継承を求められるが、「いいえ。私の治める国があるならそれは私自身で探したい」と退ける。

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私はこの2つの問いにどちらも「いいえ」と答え続ける物語になっているのがDQ1の1番好きなところ。「自由」を重んじ、誰かに言われたからではなく、自分で自分の生き方は決めていいんだと言ってくれたような、ゲームの中くらい、自分は好きに生きるヒーローでいて良いんだと。

 

しかし、孤独と自由は抱き合わせである。

※引用:the pillows「ストレンジ・カメレオン」

https://youtu.be/_n5hWwNVtt4?si=hVYH0dEZ77I9Siq6

(↓ミスチルカバーのが有名か?)

https://youtu.be/TsyZSfgnlN4?si=Pc8Sz4EhllMRGcKA

 

「自由」に生きるということはしがらみはないが孤独である。1人で攻撃も回復もしなければならないし、失敗したら貯蓄も半分になってしまう。ドラクエ1は終始流れるフィールドのBGMが明らかに「孤独」を想起させる。

人間は本来孤独であり、次に行くべき街も、「どうのつるぎ」を買うか、「くさりかたびら」を買うかも全部自分で決めなければならない。誰からも何をしたら良いかの指示はない。

でも、「全部自分で決めて良い」。

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私はドラクエの原点はここにあると思っていて、だから、2→3と仲間が増えて行った時に、仲間がいることの喜びを痛感し、でも責任感やプレッシャーも感じた。社会てそういうもんだよね、と子供ながらに思った。

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世の中に疲れた時は私はDQ1のシンプルかつ孤独な世界を思い出すことにしている。

SNSも含め、とかく今の社会は生きにくいから、あの日たった1人自分の力で、自らの信念を貫いた冒険の物語を忘れないようにしたいと思う。


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ドラクエウォークも4.5年。ゲームが複雑化するのはソシャゲの宿命とはいえ、ドラクエブランドを使い続けるのであれば、もう一度原点のシンプルさを思い出して良質なコンテンツを作り続けて欲しいと願うばかりです。

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